東京オリンピックで幻となった新しい国立競技場を最初にデザインしたZaha Hadidが上海でデザインしたSky SOHOの撮影。Zahaの建築の特徴である無機質なものに施した有機的な流線のデザインは、建築というよりもアートに近い。渡り廊下の下のパネルのデザインはひとつひとつのパネルが全て違う形をしていて、「そこまでやるか」と唸ってしまう。細部に至るまで流線にこだわったデザインは、直線で角ばり、冷たささえ感じる一般的なビルとはことなり、何か包まれているような温かさがあって本当に気持ちいいし美しい。もし、日本の新国立競技場がしっかりとZahaがデザインしたものだったら、どれだけ価値があっただろう。日本でZahaの作品を見たかった。新国立競技場のZaha案がつぶされたことは本当に残念でならない。実はこの写真は白黒にしたものではなく、撮影当日は空が曇り、建物が銀色で、影とのバランスで白黒に見えるが、実際に撮影した時の風景の色とほとんど変わらない。